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デュアルキャリアとは?元サッカー選手 × 現役エンジニアが教えるデュアルキャリアの実践方法

社会問題としても取り上げられることが多いアスリートのセカンドキャリア問題ですが、近年それを解決するための取り組みとして話題になっているのがデュアルキャリアです。 

この記事では、デュアルキャリアとは何か、そしてデュアルキャリアを実践する方法についてご紹介します。 

デュアルキャリアとは

まずは、「デュアルキャリア」とは何かについてご紹介します。 

現役中に競技以外の軸を持つこと

デュアルキャリアとは、2012年にEU(欧州連合)が提唱したキャリア形成に対する考え方で、日本でもスポーツ庁の「スポーツ基本計画」によって、デュアルキャリアに対する理解促進を進めてきました。 

今まではアスリートのキャリアの考え方として、現役中は競技に専念し、引退後は新たなキャリア、いわゆるセカンドキャリアを迎えるというのが一般的だと考えられていました。 

しかし、実際問題アスリートのセカンドキャリアは自由な職業選択が難しく、なかなか思うようなキャリアを送ることができない現状があり、社会的な問題にもなっていました。 

そんなアスリート自身の自己実現や社会進出を支えるために提唱されたのが「デュアルキャリア」です。 

デュアルキャリアとは、簡単に言えば2つの軸を持つことです。 

アスリートとしてのキャリアと同時に、ビジネス活動というもう一つの軸を持つことです。 

例えば、アスリートとして活動しながら、その他の時間に会社員として働いたり、個人で仕事を請け負ったりすることです。 

このようにアスリートとしての活動に加えて、ビジネス活動も並行して行うことで、アスリートのキャリアを充実させつつ、社会的キャリアも同時に形成することができます。 

これにより、現役引退後のキャリアの幅も広げることができるというものです。

デュアルキャリアのメリットとは

ビジネススキルの習得

デュアルキャリアのメリットの一つがビジネススキルを得ることができる点です。 

アスリートのセカンドキャリアが難しい理由の一つにビジネス経験の無さが挙げられます。 

多くのアスリートは、高校・大学卒業のタイミングでアスリートとしてのキャリアを歩み始めると思います。 

その一方で、同い年の多くの仲間達はそこからビジネスマンとしてのキャリアを歩み始めます。 

では、仮に10年後に現役を引退し就職活動をする場合、企業の中途採用枠を争うことになります。 

競技一本でビジネス経験のないアスリートと、10年間ビジネスマンとして経験してきた人物を比較した場合、よほどの強みがない限り経験のないアスリートが採用してもらうのは難しいと思います。 

特に大手企業や人気の企業は倍率も高く、スキルやビジネス経験のないアスリートが採用される確率はかなり低いと言えるでしょう。 

このビジネス経験の無さがアスリートのセカンドキャリアが難しいと言われる一番大きな理由です。 

この課題を解決するための手段がデュアルキャリアです。 

アスリートでいる内に、ビジネスにも取り組むことでビジネス経験を得ることができます。 

いざアスリートを引退したとしても現役中から培ったビジネス経験やスキルがあれば、引退後のキャリアの選択肢の幅を広げることができるというメリットがあります。

スポーツ業界以外の繋がりが増える

アスリートの多くがスポーツ業界以外の繋がりをあまり持っていません。 

ビジネスをしていれば、仕事を通して様々な業界の人と関わり仕事をする機会があると思います。 

しかし、アスリートの場合は自ら他業界の人と関わりを持とうと行動しなければ、あまり他業界の方と関わる機会がありません。 

そのせいでアスリートのコミュニティはより閉鎖的になり他の業界のことやビジネスに対する知識や情報があまり入ってこないのです。 

しかし、こういった社会的な常識やビジネスに関する知識が不足していると、いざ競技を引退した際にその競技のこと以外何も知らない人になってしまいます。 

デュアルキャリアを実践することで、ビジネスを通して様々な業界の人と関わる機会が増えます。 

ビジネスに関する様々な情報や価値観を知ることができるだけでなく、競技に必要な考え方や人間力を同時に鍛えることもできるでしょう。 

デュアルキャリアを実践し、他業界の人との繋がりが増えることで、2つのキャリアをより充実したものにできるでしょう。

現役引退後のキャリアに対する不安解消

アスリートの最大の不安が現役引退後のキャリアに対する不安です。 

デュアルキャリアを実践することで、ビジネススキルや経験を得ることができます。 

現役中からビジネス活動をすることで、引退後もその延長線上で仕事をすることができるので、全く経験のない違う業界にチャレンジするという不安を解消することができます。 

セカンドキャリアに対する不安を解消することで、より競技にも専念することができるでしょう。 

競技的に見ても将来的に見ても、デュアルキャリアを実践することで双方に良い影響を与えることができます。

デュアルキャリアの実践方法

では、実際にデュアルキャリアを実践するためには何をすれば良いのでしょうか? 

デュアルキャリアを実践するための方法についてご紹介します。

デュアルキャリア支援会社に相談

一つ目の方法は、デュアルキャリアを支援している企業やサービスを利用することです。 

日本でも近年スポーツ庁がデュアルキャリアを推進している背景もあり、デュアルキャリアを支援する企業やサービスが誕生しています。 

アスリートのキャリア支援として、キャリアに対する相談や競技をしながら働くことができる場所を紹介してくれます。 

デュアルキャリアを実践する上で一番課題になってくるのはスケジュールです。 

アスリートは練習や試合のスケジュールがあるので一般的な勤務時間で勤務することが難しいです。 

しかし近年ではそういった部分を理解してくれる企業も増えてきました。 

デュアルキャリア支援のサービスなどを利用すればそういった企業情報を得ることもできるでしょう。 

デュアルキャリアを実践したいけど何から始めて良いか分からないという方は、まずはこういったサービスを利用してキャリア相談をしてみることから始めてみることをおすすめします。

フリーランス

デュアルキャリアの選択肢の一つとしてフリーランスという道もあります。 

フリーランスであれば、場所や時間に縛られずに働くことができます。 

スケジュールが自分で調整できるのでアスリートには最も向いた働き方では無いでしょうか? 

フリーランスとして働く例としては、下記のような職業が挙げられると思います。

  • ライター
  • コミッション型営業代行
  • パーソナルトレーナー
  • プログラマー
  • デザイナー

プログラマーやデザイナーなどはある程度のスキルが必要ですが、ライターや営業代行、パーソナルトレーナーなどは特別なスキルが無くても始めることができます。 

最近では、案件を獲得できるオンラインサービスなども増えてきたので、時間や場所に縛られることなく始めることができます。 

例えば、ライターとして活動していく中で、特定のキーワードでgoogle検索順位1位を獲得すればそれはライターとして立派な実績になります。 

ライターとして活動すればSEOに関する知識などもついてくるので、そこから派生して勉強することでwebマーケティングについての知識もつけてマーケティング改善ができるような人材になれば、企業からも重宝される人材になれます。 

少しビジネス的な話しになりますが、広告が増えてきて中々広告からの集客が難しくなっている昨今、コンテンツマーケティングを始める企業が増えています。 

ライターとしての経験や実績をアピールすればそういった企業の案件獲得や就職などに繋げることもできるでしょう。 

また、プログラミングやデザイナーなどもスキルがなければできないと思われるかもしれませんが、最近ではオンラインでの学習サービスなどが充実しています。 

そういった学習サービスを利用してスキルを得ることができれば、一生使えるスキルになります。 

現役を引退後もプログラミングスキルやデザインスキルがあれば、就職にも非常に有利ですし、自分でそのままフリーランスとしてやっていくということもできるでしょう。 

デュアルキャリアを実践する上で、フリーランスとしての選択肢を探してみることをおすすめします。

起業

起業するというのも選択肢の一つです。 

例えば、プロサッカー選手の本田圭佑選手は、現役中に会社を起業し経営しています。 

他にもスポーツ選手で起業している選手はいます。 

スポーツスクールやトレーニングジムの経営など、自身のスポーツの経験を活かしたものもあれば、アパレルなどのスポーツとは違う領域で起業している人もいます。 

スタートアップのように大々的に資金調達をして事業を進める方法もある一方で、最近では自己資金で小さく始める企業も流行っています。 

起業することで、ビジネスに関する様々な知識を得ることができるだけでなく、自身の視野が広がったり、取引先が応援してくれたり、セカンドキャリアの不安が無くなったりといった様々なメリットがあります。 

もし自分が実現したいことや作りたいサービスなどがある場合は、起業するという選択肢を模索してみるのも良いでしょう。

デュアルキャリアの成功事例

実際にデュアルキャリアを実践した事例を、筆者の経験を元にご紹介します。

プログラミングスキルを活かしてweb制作

筆者は、大学卒業後プロサッカー選手として活動しながらデュアルキャリアを実践した一人です。 

プログラミングを勉強したのは、プロ1年目にセカンドキャリアに対しての不安から、何かスキルをつけたいと考え、オンラインプログラミングスクールで勉強を始めたのがきっかけでした。 

そこから、実際にエンジニアとして働いている人などに話を聞いたりしながらスキルを磨きました。 

そして、そこから1年間ほど必死に勉強した後、そのプログラミングスキルを活かして、webサイト制作などの実際の案件を請け負いました。 

そこからはアスリートとしての活動に加えて、フリーランスのweb系のエンジニアとして活動し、デュアルキャリアを実践しました。 

そして、現役生活を終えた後は、プログラミングスキルを活かしエンジニアとして、システム開発の会社に就職しました。 

セカンドキャリアに対する不安はありましたが、デュアルキャリアを実践することで、セカンドキャリアに対する不安は減っていき、現役引退後も自身の就きたい職業に就くことができました。 

セカンドキャリアに不安を抱えているアスリートの方は是非、デュアルキャリアを実践してみることをおすすめします。

デュアルキャリア実現に向けて今すべきこと

現役のアスリートや体育会学生がデュアルキャリア実現に向けてすべきことについてご紹介します。

自己分析と情報収集で自分がやりたいことを明確にする

デュアルキャリアを実践する上で大事になるのが自己分析と情報収集です。 

就職活動の際は、ほとんどの人が自己分析を行うように、まずは自分が何者で何をしたいのかを知らなければ始まりません。 

そして、よくやりたいことがないという人がいますが、それはやりたいことがないのではなくやりたいことを知らないというのが正しいと思います。 

例えば、野球選手が野球選手になった理由は小さい頃から野球をやり、野球について知っていたからです。 

もし野球をやっていなければプロ野球選手になりたいとは思っていないはずです。 

野球というものを知り、その魅力について知っていたからこそプロ野球選手を目指したのです。 

仕事を選ぶ際もそれと同じです。 

どんな仕事があるかについて知らなければ、やりたいことも見えてきません。 

まずはどんな仕事があるのかについて情報収集を行い、自己分析で自分が何をしたいのかを明確にすることで、自分のやりたいことが見えてくるでしょう。 

もし自己分析について何をすれば良いのか分からないという人は、自己分析に関する様々な本が売っていますのでそれを参考にしてみて下さい。

行動・実践

やりたいことや進みたい道が見えてきたら後は行動するのみです。 

自分一人では難しい場合は、キャリアサポートなどを利用してみても良いでしょう。 

行動してデュアルキャリアを実践することでアスリートとしてだけでなく、一人のビジネスマンとしてのキャリアも同時に築くことができるでしょう。 

行動すれば失敗することもあると思いますが、それはどんなことでも同じです。 

まずは恐れずに未来に向かって行動・実践してみることが大事です。

まとめ

デュアルキャリアの意味やその実践方法についてご紹介しました。 

デュアルキャリアという考え方が広がれば、アスリートがより安心して夢を追うことができるのではないでしょうか。 

アスリートの方は是非デュアルキャリアを実践してみて下さい。