エンジニア転職

エンジニア転職で受かるためのポートフォリオとは?作り方やポイントを徹底解説

昨今のエンジニアの転職活動ではポートフォリオを求められることが多くなっています。

特に未経験からエンジニアに転職に挑戦する場合は、ポートフォリオが必須と言っても過言ではありません。

この記事では、実際に未経験からエンジニアになった私の経験談も踏まえて、ポートフォリオの作り方や面接に受かりやすいポートフォリオの特徴についてご紹介します。

こにかみ
  • 26歳で未経験からエンジニアになって実務経験2年半でメガベンチャーへ転職
  • 現在はtoC向けのWebアプリ開発に従事
  • 言語はPHP,Pythonを使ったサーバーサイドの開発を担当
Contents
  1. ポートフォリオとは?
  2. エンジニア転職にポートフォリオは必要?
    1. 自分の技術力を証明するため
    2. ポテンシャルを証明するため
    3. 入社後のミスマッチを削減するため
  3. 未経験エンジニアのポートフォリオ作成のロードマップ
    1. 1. どんなアプリを作りたいか考える 
    2. 2. アプリの設計を行う
    3. 3. 開発を行う
    4. 4. テストを行う
    5. 5. アプリを公開する
    6. 6. アプリを利用してもらいフィードバックを受ける
    7. 7. アプリの機能改善を行う
    8. 8. 開発の経緯や選定技術、難しかったポイントを振り返りまとめる
  4. 未経験でも面接に受かるポートフォリオの特徴とは?
    1. 【必須】オリジナリティがある
    2. 【必須】開発の意図や技術選定に明確な理由がある
    3. 【必須】ソースコードをgithubに公開している
    4. 【必須】アプリが公開されている
    5. 【必須】SSL対応
    6. 【加点】Google Analyticsの設定
    7. 【加点】Qiitaなどでアウトプットしている
    8. 【加点】アーキテクチャの構成図がある
    9. 【加点】テストコードが書かれている
    10. 【加点】デザインが綺麗
  5. ポートフォリオの例
    1. ベジタリアン向けレストラン検索サイト
    2. 人とのつながりを話題で管理するアプリ
    3. 謎解き系口コミアプリ「なぞログ」
  6. ポートフォリオ作成時の注意点
    1. クローンサイトは絶対にやめるべき
    2. モダンな技術を使えばいいわけではない
    3. 品質の担保されたものをサービス公開まで行うべき
  7. まとめ

ポートフォリオとは?

ポートフォリオとは、簡単に言えば自分の作品集のことです。

エンジニア転職で求められるポートフォリオとは、自身で開発した WebアプリやiOSアプリ、業務効率化ツールなどの成果物のことを指します。

エンジニアやデザイナーなどは、自身のスキルや思考を表現する術として多くの人がポートフォリオを持っています。

エンジニアにとってポートフォリオは自己紹介代わりにもなるので、特にこれからエンジニアを目指す人は最低でもひとつはポートフォリオを持っておくと良いでしょう。

エンジニア転職にポートフォリオは必要?

結論から言えばエンジニア転職においてポートフォリオは必須です。

特に未経験からエンジニア転職を目指す場合はポートフォリオが無ければ面接すら受けることができないのが現実です。

ではなぜエンジニア転職においてポートフォリオが必要なのでしょうか。

その理由は主に以下の3つです。

  1. 自分の技術力を証明するため
  2. ポテンシャルを証明するため
  3. 入社後のミスマッチを削減するため

自分の技術力を証明するため

エンジニアは技術職です。

そのため自身のスキルを証明する必要があります。

経験者であればこれまでの実務経験からその時点でのスキルセットを話すことができますが、未経験者の場合はそれができません。

そのため、自身のスキルを証明できる唯一の方法がポートフォリオです。

企業側はポートフォリオのデザインや使い心地、コードの品質などから応募者のスキルを判断します。

また面接でも未経験の場合は、ポートフォリオ作成での経験を深掘りされることがほとんどです。

こういった理由からエンジニアの転職活動ではポートフォリオを求められることが多いです。

ポテンシャルを証明するため

ポートフォリオはその時点でのスキルを示すものでもありますが、同様にこれからのポテンシャルを証明するものでもあります。

未経験エンジニアの場合は、実務経験も無くスキル的には足りていないケースが多いので、企業側もほとんどがポテンシャル採用です。

ポテンシャル採用とは、その時点でのスキルはまだ足りていないが、これからの伸び代も含めて期待して採用することです。

そのため企業側は、エンジニアのポテンシャルを見るという点でもポートフォリオを求めるケースが多いです。

細かい部分に対する拘りや学習意欲が感じ取れるポートフォリオは企業側にとっても評価の高いポートフォリオです。

入社後のミスマッチを削減するため

ポートフォリオは入社後のミスマッチを削減する目的でも求められます。

一口にエンジニアと言っても、WebエンジニアやiOSエンジニア、インフラエンジニアなど職種は様々です。

更に企業によって扱う言語も様々なので、応募者の目指すキャリアとのミスマッチが起こらないようにするという目的もあります。

またポートフォリオで客観的にその人のスキルを判断することで、入社後にどのようなタスクから任せるべきかといった判断もすることができます。

未経験エンジニアのポートフォリオ作成のロードマップ

未経験エンジニアのポートフォリオ作成のロードマップをご紹介します。

1. どんなアプリを作りたいか考える 

まずはどんなアプリを作りたいか考えるところからです。

「ポートフォリオを作りたいけど作りたいものがない」と悩む人も多いと思いますが、そういう人はいろんなアプリを書き出してみましょう。

Twitterのような世の中にあるよく使われるアプリだけでなく同じように未経験からエンジニアになった人が作成したポートフォリオもSNSやブログに公開されていることが多いので参考にしてみて下さい。

こにかみ

アイデアがない人はとにかくいろんなものに触れて参考にしてみると良いと思います。

2. アプリの設計を行う

作成したいポートフォリオのイメージができたらアプリの設計を行います。

ここでポイントなのが、機能を盛り込みすぎないことです。

未経験エンジニアによくありがちな考えとして、とにかく沢山の機能を盛り込んだ方が評価されるという考えです。

しかしこれは間違いです。

重要なのは、そのアプリにおいてなぜその機能が必要なのかを考えて設計することです。

アプリの中で特に必要ない機能を沢山盛り込んでもあまり意味がないですし、機能を沢山盛り込んだことで品質が悪くなればむしろマイナス評価に繋がります。

未経験エンジニアがポートフォリオを作成する上で意識すべきことは、まずは必要最低限の機能で品質の良いものを作成することです。

こにかみ

機能の盛り込み過ぎはNGですが、自分なりの特徴的な機能を一つ盛り込むこととオリジナリティが出て評価がグッと上がります。

3. 開発を行う

アプリの設計ができたら実際に開発を行います。

開発中は沢山の壁にぶつかることがあると思いますが、そういった壁を乗り越える経験はエンジニアとして非常に貴重な経験です。

プログラミングスクールではサポートしてくれる環境もあると思いますし、最近はMentaのようなサービスもあるので、本当に詰まった時はこういったサポートを上手に活用するのもおすすめです。

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4. テストを行う

開発が完了したらテストを行います。

開発中にも機能単位で細かくテストしていると思いますが、全ての機能開発が終わったらアプリ全体をテストします。

未経験エンジニアはテストを軽視しがちですがテストはとても重要です。

ソフトウェア開発において一番時間をかけるのはテストと言われる程です。

そのためポートフォリオ作成でしっかりとテストケースを用意してテストしているというのは評価されるポイントなので、しっかりとテストを行いましょう。

こにかみ

余裕がある人はテストコードを書いてテストの自動化までできると更に評価が上がります。

5. アプリを公開する

テストが終わって品質が担保できたらアプリを公開します。

アプリを公開するのはサーバー代が掛かる場合もありますし手間もかかるので公開しない人もいますが、間違いなく公開した方が良いです。

アプリをリリースする経験にもなりますし、何より自分の作成したものを利用できる環境にすることは非常に重要です。

6. アプリを利用してもらいフィードバックを受ける

実際の開発現場では、リリースしてお客様からのフィードバックを貰い改善を繰り返していきます。

ポートフォリオ作成でもアプリ利用者からのフィードバックを貰い改善するといった経験をしていると非常に評価されます。

最初は友人や家族でも良いので利用してもらい、フィードバックを受けると良いでしょう。

7. アプリの機能改善を行う

フィードバックを受けて改善できそうなポイントがあれば、機能改善や機能追加を行いましょう。

未経験エンジニアでポートフォリオ作成でフィードバックを受けて機能改善や機能追加までやっている人はあまりいないと思います。

そのためフィードバックを受けて機能改善や機能追加までやり切ることができると間違いなくエンジニアの転職面接でも高評価を受けることができるのでおすすめです。

8. 開発の経緯や選定技術、難しかったポイントを振り返りまとめる

ポートフォリオ作成において最も重要なのが、振り返りを行うことです。

エンジニア転職を目指す人がポートフォリオを作成する目的は、エンジニア転職を成功させるためです。

ポートフォリオはあくまでそのための武器です。

その武器を活かすも殺すも自分次第です。

いくら優れたポートフォリオを作成しても、その過程や技術を面接で適切に伝えれなければ面接を通過することはできません。

そのため、ポートフォリオ作成を通して得た経験を振り返りしっかりと言語化することが重要です。

なぜこのアプリを開発したのか、なぜこの技術を利用したのか、なぜこの機能を開発したのか、難しかったポイントとそれをどう乗り越えたのか、と言った部分はしっかりと言語化できるようにしましょう。

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未経験でも面接に受かるポートフォリオの特徴とは?

未経験でも面接に受かるポートフォリオの特徴について解説します。

この特徴を抑えたポートフォリオを作れれば未経験からでもエンジニア転職できる可能性はグッと上がります。

【必須】オリジナリティがある

ポートフォリオにおいてオリジナリティがあるかというのは非常に重要です。

最近は未経験からエンジニアを目指す人も増えており、特にプログラミングスクール出身者などが似たようなポートフォリオで転職活動しているケースが増えています。

そのため、企業の採用担当者は似たようなポートフォリオを見慣れており、オリジナリティがないポートフォリオでは中々目を引くのが難しくなっているのが現状です。

ポートフォリオを作成する際は、自分なりのエッセンスを盛り込んむことを意識しましょう。

【必須】開発の意図や技術選定に明確な理由がある

面接ではなぜそうしたのかということをよく聞かれます。

その時に明確な理由が答えられないと面接を通過するのは難しいです。

ポートフォリオ作成時にはなぜそうするのかを常に意識して開発することで、面接でも評価されます。

これについては最悪後付けでも良いので、面接までには開発の意図や技術選定に明確な理由を用意しておきましょう。

【必須】ソースコードをgithubに公開している

ソースコードは必ずGithubに公開しましょう。

ソースを公開していないと企業側がコードを評価する術がありません。

未経験エンジニアはソースコードを公開していない人も多いですが、ポートフォリオを作成したら必ずGithubにソースコードを公開しましょう。

【必須】アプリが公開されている

ポートフォリオを作成したらアプリをリリースしてユーザーが利用できる状態にしておきましょう。

エンジニア転職をする際には、アプリのURLを職務経歴書やスキルシートに記載するようにしましょう。

最近ではポートフォリオのアプリが公開されていないと、その時点で不採用になるケースもあるので注意しましょう。

【必須】SSL対応

SSLの対応も必須です。

SSL対応されていないサイトだとそれだけで評価が下がります。

細かいポイントですが、折角ポートフォリオを公開する際はしっかりとSSL対応も行いましょう。

【加点】Google Analyticsの設定

世の中にある多くのアプリは Google Analytics などを利用してアクセス数などのデータをとっています。

ポートフォリオではそこまでのアクセスは無いとは思いますが、こういった設定もされていると評価として加点されます。

メタタグを埋め込むことで対応可能なので、こういった設定もしておくと良いでしょう。

【加点】Qiitaなどでアウトプットしている

エンジニア転職においては Qiitaなどでのアプトプットも非常に重要です。

ポートフォリオを作成したら、その経緯や困難だったこと、それを乗り越えた経験をアウトプットしましょう。

技術的なアウトプットを多くしている人は企業側にとっても非常に評価されます。

アウトプットは時間もかかりますがその分効果もあるので積極的に行いましょう。

【加点】アーキテクチャの構成図がある

エンジニア転職においてはアーキテクチャの構成図もあるとより良いです。

アーキテクチャの構成図があれば、ポートフォリオを実際にどのような構成で作ったのかが一目瞭然です。

余裕がある人はアーキテクチャの構成図まで作成できるよ良いでしょう。

【加点】テストコードが書かれている

最近の開発現場では、テストコードを書いてUnitテストを自動化しているところがほとんどです。

プログラミングスクールでテストコードを書くところまで教えているところは少ないです。

そのためテストコードを書いてテストの自動化までしていると他の未経験者とかなり差別化できます。

時間は掛かりますが、余裕がある人はテストコードを書いてテストの自動化に取り組むと良いでしょう。

【加点】デザインが綺麗

デザインが綺麗というのも加点ポイントです。

折角面白い機能を盛り込んだポートフォリオでもデザインが悪いと印象が悪くなってしまいます。

デザイナーでは無いので細かいデザインまで拘る必要はないですが、必要最低限は綺麗で見やすいUIを作るようにしましょう。

デザインや色味は真似することでそれっぽいものができるのでお気に入りのアプリのデザインなどを参考にするのがおすすめです。

ポートフォリオの例

実際に未経験からエンジニア転職を成功させた人のポートフォリオの例をご紹介します。

ベジタリアン向けレストラン検索サイト

こちらはベジタリアンの人向けのレストラン検索サイトです。

ご自身の課題を解決するオリジナリティのあふれたポートフォリオです。

引用元:Vegeres http://vegeres.herokuapp.com/

人とのつながりを話題で管理するアプリ

こちらは人とのつながりを話題で管理することができるアプリです。

デザインや機能もシンプルですが、コンセプトがしっかりしていて非常に素晴らしいポートフォリオだと思います。

謎解き系口コミアプリ「なぞログ」

こちらは謎解き系の口コミアプリです。

こちらもコンセプトがしっかりしていて、アーキテクチャ構成図も用意されており非常に完成度の高いポートフォリオです。

ポートフォリオ作成時の注意点

エンジニア転職のためのポートフォリオ作成で注意すべき点について解説します。

クローンサイトは絶対にやめるべき

プログラミングスクールが課題として教えているというのもあり、Twitterクローンやメルカリクローンなどはポートフォリオとして世の中に散見しています。

そのためクローンサイトでは採用担当者の目を引くことは困難です。

ポートフォリオがクローンサイトというだけで書類で落とす企業もあります。

機能を真似したりするのは良いですが、丸パクリして作るのは避けましょう。

モダンな技術を使えばいいわけではない

未経験エンジニアはモダンなツールや技術を使えば評価されるという考えがちですがこれは間違いです。

モダンなツールや技術はあくまで問題解決のための手段でしかありません。

明確な目的があって利用するのは良いですが、ただ何となく利用するのはあまりおすすめしません。

少し前にtwitterで話題になっていたのが以下のtweetです。

リプ欄を見るとモダンなツールや技術を使うよりも、どう問題解決したかを重視する人の方が多いのが分かります。

ポートフォリオ作りで技術選定する際は、何となくモダンなツールや技術を使うのではなく、明確な意図を持って最適なツールや技術を使うようにしましょう。

品質の担保されたものをサービス公開まで行うべき

未経験からエンジニア転職を目指すならポートフォリオを作成して公開するのは必須です。

でもそれだけでは足りません。

しっかりと品質の担保されたものを公開して運用することです。

良く未経験エンジニアがポートフォリオを作成して公開していますが、品質が低くバグが散見されるケースが良くあります。

ポートフォリオとして公開しているのに利用したらバグが多かったという場合、それだけで選考に落ちることもあります。

しっかりとテストして品質の良いサービスを公開することが重要です。

まとめ

エンジニア転職を目指す上で重要になるポートフォリオの作り方や受かるポートフォリオの特徴について解説しました。

未経験からのエンジニア転職は年々難しくなっていますが、しっかりとポイントを抑えたポートフォリオを作成すればエンジニア転職も十分可能です。

是非これからエンジニア転職を目指す人の参考になれば幸いです。