エンジニア転職

エンジニア転職に資格は不要?取得する際のポイントや注意点について解説

未経験からエンジニアになりたい」「エンジニアとして優良企業に転職したい」そのために資格を取得しようか迷っているけど資格取得がエンジニア転職に有利に働くのか分からないという方も多いと思います。

そこでこの記事では、未経験からエンジニアになり現在はメガベンチャーでエンジニアをしている筆者の転職活動での体験談も踏まえて、エンジニア転職において資格がどのような効果をもたらすのかについて解説します。

こにかみ
  • 26歳で未経験からエンジニアになって実務経験2年半でメガベンチャーへ転職
  • 現在はtoC向けのWebアプリ開発に従事
  • 言語はPHP,Pythonを使ったサーバーサイドの開発を担当

IT資格とは?

そもそもIT資格とはどのようなものがあるのかについて解説します。

主には国家資格とベンダー資格の2つに分類されます。

国家資格

国家資格とは、経済産業省が認定するITエンジニアのための国家資格です。

独立行政法人である情報処理推進機構(IPA)が運営しています。

IT技術に関する一般的な知識を求められる資格から、より専門的な知識を求められる上位資格まで様々です。

主な国家資格は以下のようなものが挙げられます。

  • ITパスポート
  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験
  • データベーススペシャリスト

ベンダー資格

ベンダー資格とは、 IT関連製品を製造・販売するベンダー(企業・メーカー)が、その技術についての知識を持っていることを証明することを目的とした民間資格制度です。

その製品や技術についてのより専門的な技術的な知識や経験を求められる内容です。

国家資格よりもより実務で使われる専門的な知識が求められる内容のため、国家資格よりも持っていると価値が高いとIT業界では言われることが多いです。

主なベンダー資格は以下のようなものが挙げられます。

  • AWS SAA
  • LPIC
  • CCNA
  • Oracle Master

エンジニア転職では資格よりも実務経験の方が圧倒的に重要

IT資格について解説しましたが、結論から言うとエンジニア転職においては、資格よりも実務経験の方が圧倒的に重要です。

その理由は以下です。こちらについて詳しく解説します。

  1. 転職活動で資格に触れられることはほとんど無い
  2. 資格だけあっても実務経験がないとアピールにならない場合が多い
  3. 資格の知識が実務に使えるケースが少ない

転職活動で資格に触れられることはほとんど無い

ITエンジニアの転職活動では資格が有利に働くケースは少ないと言われています。

実際に筆者も2回ほどエンジニアとして転職活動を経験しましたが、面接等で資格について触れられることは1回もありませんでした。

転職活動の面接で聞かれる内容は基本的に実務経験についてがほとんどです。

書類選考の段階では資格が選考の合否に関わる可能性はあると思いますが、面接では資格の有無が選考結果に有利に働くことは少ないと思います。

資格だけあっても実務経験がないとアピールにならない場合が多い

資格があっても実務でその技術を使った経験がない場合、その分野については未経験と判断されることが多いです。

資格はその分野に関する幅広い知識を得ることができますが、その知識を使って実務で課題解決ができるという証明にはなりにくいというのが現実です。

エンジニアのような技術職ではよく言われる「知ってる」と「できる」は違うということですね。

そのためとりあえず資格があれば転職に有利に働くというケースは少なく、資格に加えて実務経験がないとアピールにならない場合が多いです。

資格の知識が実務に使えるケースが少ない

資格の知識が実務で使えるケースが少ないというのも資格があまり重要視されない要因の一つでもあります。

資格ではその分野に関する幅広い知識を求められますが、逆に言えば実務では使うことが少ない知識も多いです。

そのためその分野に関する知識の証明にはなるが、それが直接的に実務で使えるという判断がされにくいという現状があります。

資格取得のメリット

前提としてエンジニア転職においては資格より実務経験が重要だというのはありますが、資格取得するメリットももちろんあります。

ここからは資格取得するメリットや資格取得する際の注意点などについて解説します。

資格取得のメリット
  1. 技術力の証明になる
  2. 専門的な知識を得ることができる
  3. 勉強熱心さとアピールできる
  4. 資格手当を貰える可能性がある
  5. 自信を持つことができる

技術力の証明になる

資格を持っているということは、客観的な技術力の証明になります。

その分野についての実務経験の有無に関わらず、その分野についての知識を持っていることの証明にはなるので転職活動においてアピールできる材料にはなり得ます。

ただしなぜその資格を取得したのかという目的は明確にしておきましょう。

専門的な知識を得ることができる

資格取得を通してその分野に関する専門的な知識を得ることができるのは資格取得のメリットです。

エンジニアの場合、知識の引き出しが多いに越したことはありません。

資格で得た知識を利用して、様々な角度から課題解決のアプローチができるようになれば非常に大きなメリットになります。

資格取得で新しい知識が得られることは間違いないので、それをしっかりと実務で利用できるようにすることができれば資格取得は非常に価値があるものになります。

勉強熱心さとアピールできる

資格取得は継続して勉強をすることができるというアピールにはなります。

一般的に資格取得するためには、3ヶ月〜半年程度の継続した学習が必要になります。

そのため資格取得しているということは、継続的に勉強ができるというアピールができるのはメリットです。

資格手当を貰える可能性がある

会社によっては資格手当を用意している所もあるので、資格取得で給与が上がる可能性があるのはメリットです。

ただし資格取得の目的は実務で利用するためなので、資格取得が目的にならないように注意した方が良いでしょう。

自信を持つことができる

資格取得によって自信を持つことができるというのも大きなメリットです。

資格取得によってその分野に関する知識を得ることで、自信を持って提案できたり実装できたりすることは非常に大きなメリットです。

転職活動でも、面接では自信を持って話すことは非常に重要です。

そのため資格取得で自信を持つことができれば、転職活動においても有利に働くでしょう。

資格取得のデメリット

資格取得のデメリットについても解説します。

資格取得のデメリット
  1. 資格取得までに時間がかかる
  2. 実務で使えるアピールにはならない場合が多い

資格取得までに時間がかかる

一般的な資格取得には、3ヶ月〜半年程度の学習時間を要します。

そのため、1つの資格を取得するのに結構な時間がかかってしますのはデメリットです。

3ヶ月〜半年程度かけて資格を取得することと、それ以外のことを学ぶのを比較して、どちらが今後の自分のキャリアにプラスになるかを検討することが重要です。

実務で使えるアピールにはならない場合が多い

転職活動においては、資格だけ取得しても残念ながら実務で使えるアピールにはならない場合が多いのはデメリットです。

そのため折角いろんな資格を取得したのに、転職活動で有利に働かなかったという声も良く聞きます。

転職活動でのアピールのために、目的もなくとりあえず資格を沢山取得するというのはあまりメリットがないのでやめたほうが良いでしょう。

資格を取得する際の注意点

キャリアアップや転職活動のために、ただ資格を取得するだけではあまり意味がありません。

ここではキャリアアップや転職活動のために資格を取得する際の注意点について解説します。

資格する際の注意点
  1. 目的もなく資格を取らない
  2. 資格取得のための勉強にならないように
  3. 初級レベルの資格はあまりメリットが少ない

目的もなく資格を取らない

ただ何となく資格を取得するのはやめた方が良いです。

先述したように、沢山の資格をもっていても実務経験が無かったり資格取得に目的が無ければ、キャリアアップや転職活動に有利になることはありません。

そのため資格を取得する際は、目的を持って取得しましょう。

例えば、「実務でAWSを触っているが細かい設定やベストプラクティスが分からないことが多いのでAWSの資格を取得した」という理由であれば、実務での不明点を学ぶのでより理解が深まりますし、転職活動でも好印象を与えられるでしょう。

このように、実務で活用するために必要な資格を取ることが重要です。

資格取得のための勉強にならないように

資格取得の目的はあくまで実務で使える知識を身につけることです。

そのため資格取得のための勉強にならないように気をつけましょう。

例えば、LPICという資格を取得する際に、ただLinuxに関する知識をつけただけの人と実際にLinux環境でコマンドなどを試しながら取得した人ではどちらの方がより実践的なスキルを身につけることができるでしょうか?

圧倒的に後者ですね。

ただし後者の方が時間もかかるので資格取得だけが目的の場合は前者の方が良いかもしれません。

しかし、後者の方が実践的なスキルが身につくだけでなく、転職活動時などもアピールできる武器になります。

資格取得が目的になりがちですが、実務で使うことを目的に勉強するようにしましょう。

初級レベルの資格はあまりメリットが少ない

基本的な知識を身につけるために、初級レベルの資格を取得することは良いですが、それがスキルの証明にはあまりならないのが現状です。

そのため、転職活動でのアピールのために初級資格をとるというのはあまりメリットがないので注意しましょう。

ただし先述したように、目的がしっかりとしていればアピールできる材料にはなりますので、なぜその資格を取得するのかという理由は明確にしておきましょう。

資格取得が向いている人とは?

資格取得がキャリアアップや転職活動にプラスに働く人の特徴について解説します。

実務で悩んだ分野について更に詳しく学びたい人

実務で悩んだ分野についてより深く学ぶために、その分野の資格を取得するのは良いです。

実務の中で課題や悩みを抱えたことが入り口になって資格を取得する場合、まったくその分野についての知識がない人に比べて圧倒的に身になるスキルを習得できます。

これは、実際に課題や悩みを持った上で勉強するので、それに対して「あの時はこうすればよかったのか」「あの時はこういうアプローチもあったのか」というように関連付けて知識をインプットすることができます。

これによって実務で使うイメージを持ちながらインプットできるので、より実践的な知識として身につくからです。

このように既に課題感を持っている人が資格を取得するのは非常のおすすめです。

資格取得で自信がついて働きやすくなる人

資格取得によって自信がついて働きやすくなるという人も資格取得が向いています。

直接的に資格がキャリアアップや転職活動にプラスに働くかは分かりませんが、資格を取得したことによって自信を持って実装や提案ができるようになれば自分のとっては非常にプラスになるかもしれません。

資格取得によって自信がついてその自信が自分の行動にプラスになれば、自ずとキャリアアップや転職活動にも活きてきます。

ですので、自分にあまり自信がない方で資格取得によって自信をつけられるという人には資格取得は向いていると思います。

資格手当がある企業で働いている人

資格手当がある企業で働いている人も資格取得が向いています。

企業によっては資格を持っていることで基本給に資格手当がプラスされる場合もあるので、そういった企業では資格取得して給料アップを狙うのも良いと思います。

転職に有利になる資格3選

前提として資格よりも実務経験の方が重要ではありますが、その中でも転職に有利に働く資格3選をご紹介します。

  1. AWS SAA
  2. CCNA
  3. データベーススペシャリスト

AWS SAA

AWS SAAとは、AWSに関する基本的な知識を問われる資格です。

この資格を取得していると、AWS を用いて実務レベルのインフラ構成が可能なレベルという証明になります。

昨今では多くのサービスでAWSのサービスが利用されているので、AWS SAAを取得することでAWSのスキルを磨くのは良い選択肢だと言えます。

AWS SAAの資格を持っていれば、最低限のAWSの知識を持っているというアピールにはなるので、AWSのスキルを磨きたい人にはおすすめです。

CCNA

CCNAとは、「Cisco Certified Network Associate」の略でシスコ社が提供する認定資格で、ネットワークエンジニアの入門資格です。

ネットワークエンジニアを目指す人はCCNAを持っていると転職でも有利に働くので、是非取得を目指すと良いでしょう。

データベーススペシャリスト

データベーススペシャリストとは、データベースに関する知識を問われる国家資格です。

データベーススペシャリトを取得していれば、データベースに関する最低限の知識を持っている証明になります。

IPAの資格の中では転職に有利に働きやすい資格と言われているので、データベースに関する知識を深めたい方にはおすすめです。

まとめ

ITエンジニアにとって資格は必要なのか、そして資格取得のメリットや注意点について解説しました。

ITエンジニアとしてキャリアアップや転職を成功させるためには、資格よりも圧倒的に実務経験が重要です。

しかし、資格取得するメリットももちろんありますので、資格取得にかかる時間や自分の目指したいキャリアを明確にして、何をするべきかを判断することが重要です。

この記事がそのための判断材料になれば幸いです。