Linuxの認定資格の一つである LPIC-1の受験を考えている人も多いと思います。
今回は、 そんなLPIC-1に合格したので、 LPIC-1の勉強方法や私自身が受験前に知っておきたかったポイントなどについてご紹介します。
LPIC-1とは?
LPICとは、 Linux技術者認定試験(Linux Professional Institute Certification)のことを指し、 Linuxに関する技術力を認定するIT資格です。
LPICは、グレード毎に以下の3段階に分かれています。
- LPIC-1(レベル1)
- LPIC-2 (レベル2)
- LPIC-3 (レベル3)
LPIC-1は、LPICの最初に受ける認定資格であり、Linuxの基本操作とシステム管理が行えることを認定する資格です。
LPIC-1は、101試験と102試験という2つの試験を合格することで初めて資格として認定されます。
主な学習期間は、約1〜3ヶ月程度と言われています。
合格ラインは、65%~75%程度の範囲で変動しますが、60問中40問程度以上正解すれば合格できる内容になっています。
LPIC-1を受験した経緯
私がLPIC-1を受験した経緯は、業務でLinuxに関する知識を求められることも多くあり、今後も必要になる知識だと感じたからです。
また、先輩エンジニアからも「LPICを勉強するとLinuxに関する基本的な知識が得られるから良いと思うよ」と助言を頂いたこともきっかけでした。
私は、Web系のエンジニアとしてPHPなどを使った開発をしておりますが、業務でLinuxを触れる機会も多くありました。
しかし、LPIC受験前はコマンド操作やLinuxに関する知識も乏しく、都度調べながらで業務に時間がかかっておりました。
そもそも私は恥ずかしながら、LPIC-1を受験する前は「Linuxに関する知識やスキルって何?」というような状態でした。
そんな状態を脱するために、 LPIC-1を受験することに決めました。
後ほど詳しく書きますが、結果的にLPIC-1を学習したことで得た知識は、様々な場面で使える知識であることを実感できました。
実際に合格した際のLPIC-1の勉強方法

ここからは実際にLPIC-1に合格した方法についてご紹介します。
私は、101と102の試験をそれぞれ1ヶ月程度勉強して臨みました。
私の場合、仕事終わりはコードを書く勉強がしたかったので、仕事前の平日朝7:00〜9:00の2時間を学習時間に当てました。
その際に実際に勉強した方法に加えて、更により効率的に勉強する方法についてご紹介します。
1.Linux教科書(通称:あずき本)を一通り読む

まずは、LPICを受ける人はほとんどの人が勉強すると言われる、Linux教科書(通称:あずき本)を一通り読んで目を通しましょう。
Linux教科書は、試験範囲の内容を網羅的にカバーしているので、LPICの全体像を掴む事ができます。
勉強する際のポイントとして、実際にLinuxの仮想環境を作成して手を動かしながら勉強すると理解しやすく、実務でも使えるスキルとして習得できます。
仮想のLinux環境とは、LinuxのOSがインストールされた環境のことです。
例えばMacを使っている場合、お使いのMacにはmacOSがインストールされています。Windowsであれば、WindowsOSです。
これと同じで、LinuxのOSがインストールされている環境のことをLinux環境と言います。
Linuxは一般的にサーバー側でよく使われるOSですが、クライアントOSとしても使うことができます。
お使いのMac上でLinuxの環境を構築する場合は、Vitual Boxなどの仮想環境を作成する事ができる仮想化ソフトを使うことで実現できます。
Linuxの環境構築をする際は、こちらの記事などを参考にしてみて下さい。
まずは、 Linux教科書を一通り読みながら勉強してLinuxについての基礎知識を習得しましょう。
2.Ping-tをやり込む
Linux教科書に一通り目を通したら次はPing-tをやります。
Ping-tとは、IT資格のWeb問題集を取り扱っている学習サイトです。
Ping-tは、実際の出題形式に基づいたWeb問題集ですので、Ping-tで安定して80%以上は正解できるくらいまでやり込むようにしましょう。
Ping-tは解説も充実しているので、問題を解きながら理解を深めていく事ができます。
ちなみに私が初めてPing-tをやった時の正解率は20〜30%くらいだったと思います。笑
「あずき本をしっかり読み込んだのに」と不安になりましたが、何回か解いていくことで知識が繋がっていき正解率も上がっていきました。
Ping-tで理解しづらい部分などは、あずき本で復習する事で相対的に理解を深めていく事ができます。
Ping-tは模擬試験も用意されていますので、模擬試験で3回続けて80%以上は正解できるくらいになると実際の試験でも合格できると思います。
3.スピードマスター(通称:白本)で確認
Ping-tである程度理解が深まったら、最後はスピードマスターで更に知識を深めるようにしましょう。
Ping-tにはない問題などもあるので一発合格を目指す場合は、こちらもしっかりとやり込むことをおすすめします。
受験前に「スピードマスターはあまりやらなくても大丈夫」という口コミを鵜呑みにして、私は一通り目を通す位で試験に臨みましたが、そのせいで合格点ギリギリになったと後悔しています。笑
試験問題は人によって変わるのであれですが、私の場合は、スピードマスターの問題と似たような問題が多く出ました。
そして試験中それらの問題にことごとく悩み、間違えた問題もありました。笑
スピードマスターは、色々な口コミを見ると的中率が高いみたいなので、少々値段はしますが購入してしっかりとやり込むことをおすすめします。
実際に受験して感じた注意すべきポイント

実際にLPICを受験して感じた注意すべきポイントについてご紹介します。
スピードマスターもしっかりやるべき
私は、スピードマスターをあまりやらなかったせいで、101試験はギリギリでした。笑
受験が終わってからスピードマスターを見直すと私が悩んだ問題と似たような問題が多く出ていました。
スピードマスターは的中率が高いので、一発合格を目指す人は必ずやっておくべきだと思います。
LPICは受験料も約15,000円と決して安くはないので、不合格だと再受験する際はまた15,000円を支払わなくてはいけませんので、一発合格したい人はスピードマスターはやっておくことをおすすめします。
暗記ではなく知識を身につけるべき
あずき本やPing-t、スピードマスターをやり込んでも、全く同じ問題が出るわけではありません。
私の所感では、約30%程度は見たことないような問題もありました。
しっかりと知識が身についていれば解ける内容ですが、ただ暗記しているだけだと中々難しいと思います。
特にパスを記述する問題や、複数選択の問題はしっかりと理解していないと難しいです。
LPICの勉強する際は、暗記するだけではなく知識としてしっかりと身につけることが重要です。
これからLPIC-1を受験する人に向けて
私がLPIC-1を受験した経験から、これからLPIC-1を受験する人に向けて感じたことを伝えます。
LPIC-1の知識が役立つケースは多い
LPIC-1を学習したことで得た知識は、実務で活かせる場面も多くありました。
アプリケーションを動かすサーバーなどの多くはLinux環境で動いているため、アプリケーションエンジニアであってもLinuxを扱う場面は多いと思います。
特に未経験からエンジニアを目指す人やまだ経験の浅いエンジニアの人は、絶対にLPICを勉強した方が良いと思います。
Linuxに関する基本的な知識を習得する事ができ、コマンド操作なども素早くできるようになります。
LPIC受験を迷っている方やこれから受験する方には、自信を持って取得するべき資格だと言えます。
どうせ取るなら使えるようにすべき
LPIC-1で学習した内容は、実務でも使える場面が多いと言いましたが、それはあくまで知識を知っているだけでなく使える状態である場合です。
実際に、Linux環境でコマンド操作などをして勉強していないと、中々実務で使うことが難しいと思います。
コマンドを打った時の実際の挙動などをしっかりと確かめながら勉強することで、実務でも活かせるスキルになります。
もちろん、素早く資格を取得したいという場合は、とにかく暗記して受験するのも良いと思いますが、あまりおすすめはしません。
むしろ、時間はかかってしまうかもしれませんが、しっかりとLinux環境上でコマンド操作などを行いながら勉強した方が、圧倒的に自分のスキルとして身につきます。
LPIC-1を受験する際は、早く受かるというよりは、しっかりと知識やスキルを身につけた上で受かることを目的にした方が良いと思います。
その方が、結果的にその後の自分のためになると思います。
さいごに
LPIC-1の勉強方法や抑えておくべきポイントについてご紹介しました。
LPIC-1は、駆け出しエンジニアの方には本当におすすめの資格です。
LPIC-1の受験を考えている方は、是非参考にしてみて下さい。