IT業界の市場規模が向上し、ITエンジニアの需要も上がっています。
それに伴い、プログラミングを勉強したいという方も増えてきました。
そんな初心者の方がプログラミングを学ぶ際にまず悩むのが「どのプログラミング言語を学ぶべきか」についてです。
この記事では、初心者におすすめのプログラミング言語をなぜおすすめなのかという理由とともにランキング形式でご紹介します。
プログラミング言語とは
そもそも、プログラミング言語とは何かについてご紹介します。
コンピュータに命令するもの
プログラミング言語とは、コンピュータが理解することができる言語のことで、コンピュータに命令を与えるためのものです。
コンピュータはプログラムの命令通りにしか動きません。
コンピュータにどのような動作をして欲しいかという命令(プログラム)を書くための言語がプログラミング言語です。
言語によって何が違うの?
一概にプログラミング言語と言っても一つではありません。
英語や日本語、中国語などが存在しているようにプログラミング言語にも様々な言語が存在しています。
主なプログラミング言語には以下のようなものがあります。
- JavaScript
- Python
- PHP
- Ruby
- Java
- Swift
- Go
- C#
- Kotlin
ではなぜ、こんなにも多くの言語が存在しているのでしょうか?
プログラミング言語はあくまで「問題を解決するための道具」です。
ある問題を解決するためにはこの言語がおすすめだが、またある問題を解決するためには違う言語がおすすめの場合もあります。
要は、プログラミング言語によって得意な領域というのが違うのです。
例えば、PHPはwebサービスを開発する上で必要なフレームワークやライブラリ(拡張機能)が豊富で、webサービスを開発する際には多く利用されています。
Pythonは、人工知能開発、ビッグデータ解析などにも利用することができるため将来性の高い言語として世界中で人気が出てきている言語です。
Javaは、習得難易度はある程度高いが、「構造や型に厳密」で「汎用的でOSに依存しない」などの理由から基幹システムや金融系システムなどの大規模アプリケーション開発に多く利用されています。
もちろん、Javaでもwebサービスを作ることはできますが、開発コストや運用コストを考えた時に、PHPなどの方が利用されることが多いです。
このように、プログラミング言語には、それぞれに特徴があります。
プログラミング言語を選ぶ際は、その特徴を理解した上で学ぶべき言語を選択するべきです。
プログラミング言語の選び方
プログラミング言語には、様々な言語がありそれぞれに特徴があることが分かったと思います。
では、実際にプログラミング言語を学ぶ際にどのように選べば良いかについて解説します。
プログラミングで何をしたいのか
まず考えるべきは、プログラミングで自分が何をしたいのかを明確にすることです。
例えば、「エンジニアになってwebサービスを作りたい」と考えるのではあれば、webサービス開発に向いているPHPやRubyなどの言語がおすすめです。
AI開発や機械学習、ビッグデータ分析などこれからの将来需要が高まってくるであろう分野について学びたいということであればPythonがおすすめです。
iphoneアプリを開発したいなら、iphoneアプリ開発の多くで利用されている Swiftを学ぶべきです。
他にも、副業でwebサイトの開発やランティングページの作成ができるようになりたい場合は、 JavaScriptやWordPressに使われているPHPを学ぶべきです。
このように、プログラミング言語によって様々な特徴があります。
まずは、自分が何をしたいからプログラミングを学ぶのかを明確にする必要があります。
目的が明確になれば、その目的を達成するために向いている言語を選びましょう。
学習のしやすさ
2つ目のポイントは、学習のしやすさです。
プログラミング学習の初期は分からないことが多く出てきます。
プログラミング学習を挫折してしまう一番の理由が、答えが分からず迷走してしまうケースです。
例えば、いくら調べても似たような問題に対する解決策が見つからない場合です。
このようなことにならないためにもプログラミング初心者にとって学習のしやすさは重要です。
学習のしやすさとは、主に以下のような環境が揃っているかです。
- 技術情報がインターネット上に沢山公開されている。
- 周りにその言語を利用している人が存在している。
- 学習難易度がそこまで高くない。
上記のような環境が揃っている言語の方が、初心者の方にとっては学びやすいです。
プログラミング言語を選ぶ際は、学習しやすい環境が揃っている言語かについても考慮してみて下さい。
案件数
3つ目のポイントは、案件数です。
プログラミングを学習して、「エンジニアになりたい」「副業で稼ぎたい」と考えている場合は、案件数も重要な指針の一つです。
プログラミング言語によって、案件数は変わります。
2019年度の日本における主なプログラミング言語の案件数は以下です。

案件数で見ると、JavaやPHPなどが今でも案件数が多いことが見て取れます。
しかし、これはあくまで2019年度時点での案件数です。
今後伸びてくる言語もありますので、将来性なども含めて判断する必要があります。
将来性
4つ目のポイントは、将来性です。
プログラミング言語は日々進化しておりトレンドも日々変わっていきます。
例えば、COBOLは一昔前は非常に人気のプログラミング言語でした。
しかし、近年ではあまり使われることはなく、使われているとしても既存の古いシステムです。
このようにプログラミング言語の人気の移り変わりは激しいです。
そのため、今からプログラミングを学ぶ際には、ある程度将来性のある言語を学ぶべきです。
そうすればITエンジニアとして長く需要のある人材になれるでしょう。
初心者におすすめのプログラミング言語ランキングトップ10

1位:JavaScript
第1位は、JavaScriptです。
JavaScriptはもともと、画面に動きをつけたりするなどデザイン性豊かなUIを実現するためにフロントエンド部分で利用されてきました。
例えば、非同期通信によって、 Webページ全体をリロードしなくても、一部分だけロードすることを可能とする技術によって、Google マップなどで使われるようになってから、フロントエンドの技術として世界中で利用されるようになりました。
JavaScriptはフレームワークも豊富で、jQuery,Vue.js,Reactなどのフレームワークは世界中のほとんどのフロントエンド開発に使われており、今後も需要の増える言語です。
また、Node.jsなどでフロントエンドだけでなくサーバーサイドでも利用できるようになりました。
世界中の多くの企業でも利用されており、案件数や将来性の観点から見ても、今最もおすすめのプログラミング言語となっています。
2位:Python
第2位は、Pythonです。
Pythonは、機械学習やデータ分析、AI開発などに多く使われているプログラミング言語です。
これだけ聞くと比較的難しそうですが、Pythonは、文法も分かりやすく初心者にとっても学びやすい言語になっています。
言語としての汎用性が高く、将来性の高い技術として今後より一層需要が高まってくることが想定されます。
現時点での案件数でいうと、他の言語に比べてまだそこまで多くはありませんが、世界的には様々な現場で利用されており、日本でも今後より一層使われることが想定されます。
3位:PHP
第3位は、PHPです。
PHPは、言わずも知れたwebサービス開発に向いているプログラミング言語です。
世界中の約3割のwebサイトに利用されているWordPressもPHPによって開発されています。
学習コストも低く、案件数も多い言語として非常に人気の言語です。
WordPressを利用したwebサイト開発などの副業をしたい方にも向いている言語です。
今後webサービスを作りたいという方は、PHPがおすすめです。
4位:Ruby
第4位は、Rubyです。
Rubyは、日本人のまつもとひろゆき氏によって開発されたプログラミング言語です。
Rubyは、記述量が少なく直感的に書ける言語として人気を博しています。
Rubyのフレームワークの一つに、Ruby on Railsというフレームワークがあり、このフレームワークの誕生によりRubyは一気に世界中で脚光を浴びました。
Ruby on Railsは、簡単なコードでwebアプリケーションが開発できる強力なフレームワークとして人気を集めています。
開発コストが低く、主にスタートアップなどで多く利用されている印象です。
Webサービス開発においては、PHPなどと肩を並べて人気の言語となっています。
初心者の方には学習コストも低いので、おすすめの言語です。
5位:Java
第5位は、Javaです。
Javaは、現時点では求人数が最も多く、多くの現場で利用されているプログラミング言語です。
その特徴として、「処理速度が早い」「OSに依存しない」などの特徴があります。
主に、基幹システムや金融系システムなどの大規模アプリケーションの開発に利用されています。
高いセキュリティを確保できたり、安定した動作が期待できる反面、他の言語に比べると学習コストが少し高いです。
しかし、案件数や今後もまだまだ多くの現場で利用されるであろう点から見ても、Javaを学ぶべきメリットは多数あります。
エンジニアとして安定して活動していきたい方には、Javaはおすすめです。
6位:Swift
第6位は、Swiftです。
Swiftは、Apple社が開発したプログラミング言語です。
主にiOSやMacアプリの開発に利用されています。
Swiftの特徴として、高速でありながらコードが書きやすく読みやすい特徴があります。
iOSエンジニアになりたい方は、Swiftを学ぶことをおすすめです。
7位:Go
第7位は、Goです。
Goは、Googleが開発したプログラミング言語です。
シンプルかつ高速な処理が可能なプログラミング言語として、近年注目を浴びている言語です。
AndroidやiPhone向けのアプリケーションの作成も可能です。
YouTubeやメルカリなどのwebサービスの開発でも利用されるなど今後より一層普及されることが予想されます。
現時点での案件数などはあまり多くはありませんが、将来的には案件数の増加も見込まれていることもあり、初心者でもおすすめの言語です。
8位:C#
第8位は、C#です。
C#は、マイクロソフトが開発したプログラミング言語であり、Javaに似ています。
マイクロソフトが開発した言語ということで、windowsアプリケーションなどのアプリケーション開発に適しています。
案件数も比較的多く、C#とJavaは似ているので、C#を学べばJavaの習得難易度も下がります。
汎用性の高いプログラミング言語を学びたい方におすすめです。
9位:Kotlin
第9位は、Kotlinです。
Kotlinは、Javaをもっと簡潔にしたプログラミング言語です。
Kotlinは主に、Androidアプリの開発に多く利用されています。
Javaより短く簡潔にコードが書けるのが特徴です。
Androidエンジニアになりたい方は、Kotlinを学ぶのがおすすめです。
Javaに似ている言語なので、初心者の場合、Javaを学んでからKotlinを学ぶというのも一つのパターンです。
10位:C言語
第10位は、C言語です。
C言語は、1972年に開発された歴史あるプログラミング言語です。
プログラムの実行速度が速く、汎用性の非常に高い言語として世界中の多くのエンジニアに利用されております。
一方で、習得難易度が高く初心者にとってはやや難しい言語でもあります。
しかし、古くから継続して使われているプログラミング言語であり、大規模アプリケーションにも多く使われています。
習得難易度は高いが、マスターすると様々な知識を他の言語でも応用することができるので、がっつりプログラミングを学びたいという人にはおすすめの言語です。
プログラミング言語を選ぶ際の絶対に押さえておきたい注意点

初心者におすすめのプログラミング言語について解説してきました。
ここでは、学ぶプログラミング言語を選ぶ際に絶対に押さえておきたい注意点について解説します。
中途半端にいろんな言語に手を出すな
まず注意すべきことは、中途半端にいろんな言語に手を出さないことです。
プログラミング言語を学び始める際に、いろんな言語について広く学んだ方が良いのではないかと考える人も多くいます。
実際に筆者も最初の頃は、いろんなプログライング言語を学んだ方が良いのではないかと考えたこともありましたし、多くのエンジニアも一度は考えたことがあると思います。
しかし、広く浅くではハッキリ言って意味がありません。
ITエンジニアとして重宝されるのは、その言語をしっかりと理解して書ける人材です。
逆に言えば、一つの言語を極めればエンジニアとしては非常に貴重で需要の高い人材になれます。
プログラミング言語によって色々な特徴や書き方の違いなどはありますが、基本的な考え方は同じです。
ですから、一つの言語を極めれば他の言語への応用は後からいくらでも効きます。
実際に、筆者も最初はRubyから入りましたが、その後PHPの案件にも携わっています。
だから、最初からいろんなプログラミング言語に手を出す必要はありません。
まずは、これと決めた言語を一つ極めることが重要です。
周りの声に流されるな
プログラミング学習初期は、様々なことを調べ口コミなどを参考にすると思います。
もちろん色んな情報を調べ、情報収集することは大切です。
しかし、周りの声に流されすぎるのは禁物です。
例えば、Rubyを勉強し始めたけどある時「Rubyはオワコンだから違う言語にした方が良いよ」といった情報を目にして鵜呑みにしてしまうなどです。
こういった情報は様々なところで目にすることがあるかも知れませんし、実際に言われることもあるかもしれません。
しかし、これが全て事実ではありませんし、こう言った情報にいちいち振り回されてしまうと技術を極めることはできません。
実際に、オワコンだと言われている言語でもいまだに沢山の現場で使われています。
どのプログラミング言語が良いという正解はありません。
ですから、周りの声に流され過ぎずに、まずは自分の選択肢した言語を極めることを意識するようにして下さい。
最新技術だけが全てではない
プログラミングを学習する上で、最新技術を学べば良いというわけではありません。
もちろん、新しい技術を学ぶことは重要です。
しかし、最新技術は新しいのでその分技術情報は少ない場合が多く、プログラミング学習初期には学習コストが高いケースが多いです。
エンジニアの中には、古い技術なんて学んでも無駄だという人もいるかもしれません。
しかし、そんなことはありません。
例えば、給与の高い大手システムなどは、逆にそこまで最新の技術を使っているケースは多くはありません。
実際に案件数などは、未だに最新と呼ばれる言語よりもJavaやPHPなどの古くから使われている言語の方が多かったりします。
最新技術を学ぶことも重要ですが、それだけではないということも理解しましょう。
まとめ
おすすめのプログラミング言語やプログラミング言語を選ぶ際の注意点についてご紹介しました。
言語によって様々な特徴がありますが、自分がやりたいことを明確にし、それに合ったプログラミング言語を選ぶようにしましょう。
プログラミングスキルを習得すれば、ITエンジニアとしてキャリアを積んだり、副業としてスキルを活かしたりと様々な選択肢を持つことができます。
是非これを機に、プログラミング学習を始めてみてはいかがでしょうか?
